あなたが現在見ているのは 令和7年度 第1回 第七ブロック主催研修会に参加して

令和7年度 第1回 第七ブロック主催研修会に参加して

こんにちは、replace(リプレイス)です。
先日、公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会 第七ブロック主催による「令和7年度 第1回 研修会」に参加いたしました。
今回は、日々の実務に直結する非常に有意義なテーマが取り上げられ、改めて宅建業界に携わる者としての責任と役割を感じる機会となりました。

生成AIの可能性 ―「創造」と「効率化」の融合

第一部では、司法書士の高橋先生と中小企業診断士の篠宮先生から、生成AIの基本構造と実践的な活用法について講義がありました。
AIはもはや「検索ツール」ではなく、**“創造するパートナー”**として私たちの業務を支える段階に入っています。

生成AI(Generative AI)は、大量のテキスト・画像・音声データを学習し、そこから新しいコンテンツを作り出す技術です。
ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)を中心に、テキスト生成・画像生成・音声合成・動画生成といった幅広い応用が可能であり、従来の「識別型AI(これは何か?)」から「生成型AI(どう作るか?)」への進化が進んでいます。

講義では、AIが行う「文章作成」「査定補助」「顧客対応自動化」「資料作成」などの具体的な応用例が紹介されました。
特に不動産仲介業務においては、AIが24時間365日対応可能なチャットボットとして顧客対応を担い、営業担当者がより付加価値の高い提案に集中できるという大きなメリットがあります。

また、生成AIの導入により、日本企業では平均して年間約18.6万時間の労働時間削減、約20%の業務効率化が実現しているとのデータも紹介されました。

こうした数字を見ると、AI活用はもはや一部企業の試みではなく、業界全体に広がる「新しい常識」と言えるでしょう。

生成AIが特に力を発揮するのは、データ分析とパーソナライズ提案の領域です。
AIが顧客の検索履歴や嗜好を学習し、最適な物件を自動推薦する仕組みは、もはや大手ポータルサイトだけのものではありません。
中小の仲介会社でも、低コストで同様の仕組みを構築できる時代が到来しています。

さらに、AIによる査定サポートも精度を増しており、過去の取引データや市場動向を分析して、最短60秒で価格算定が可能になっています。
このスピード感は、これまで数時間かかっていた査定業務を大きく変え、営業機会の最大化につながります。

当社でも、近い将来、AIによる自動査定レポートや契約書ドラフトの生成など、実務の一部自動化を進めていく構想があります。
ただし講師が強調していたように、「AIの出力は必ず人間が確認・補正する」ことが重要です。
AIは膨大な知識を持ちますが、法令や契約のように「一字一句」が重い世界では、最終判断を人が担う必要があります。

AIが代替するのは単純作業であり、人間の専門性と信頼性こそが最終的な付加価値だという考えに深く共感しました。

紛争予防とトラブル事例に学ぶリスク管理

第二部では、近年改正が相次ぐ宅建業法や関連法令の最新動向について解説がありました。
特に注目されたのは、電子契約制度・インボイス制度・省エネ基準適合の説明義務化など、現場の実務に直接影響を与える改正点です。

これらの制度は一見複雑に見えますが、根底にあるのは「取引の透明化」と「顧客の利益保護」。
不動産業界全体としてデジタル化とコンプライアンス強化を両立させていく必要があります。

弊社でもすでに電子契約システム「クラウドサイン」を導入しており、取引の迅速化とペーパーレス化を推進しています。
この流れは今後ますます加速することが予想され、AIやクラウド技術を活用した業務効率化も重要なテーマとなっています。
単なるIT化ではなく、「顧客との信頼を守りながらデジタルを使いこなす」ことこそ、今後の不動産業者の姿勢だと改めて感じました。

講義では、実際に起きた不動産取引のトラブル事例をもとに、法的対応や未然防止のポイントが具体的に紹介されました。
特に印象に残ったのは、「説明したつもり」ではなく「理解してもらう」ことの大切さです。
重要事項説明書や契約書の内容がいかに正確でも、買主・売主双方が納得できなければ、後々の誤解や紛争につながる可能性があります。

講師からは、日々の説明や書面交付において「顧客の立場に立った言葉で伝えること」「記録を残すこと」「一度で済まそうとしない丁寧な対応」が強調されていました。

replaceでも、権利関係が複雑な「底地」や「共有持分」などを取り扱う際は、
・相手方の理解度に合わせた資料作成
・逐一の確認記録の保存
・関係者全員が納得できる調整プロセス
を徹底しています。

このような研修を通して、改めて「正確な知識」と「人との信頼関係」こそが、トラブルを未然に防ぐ最良の方法であると再認識しました。

法改正・社会構造・テクノロジー、どれを取っても不動産業界は大きな変化の中にあります。
しかし一方で、現場でお客様と接する「人」の価値は決して薄れてはいません。
AIやデジタルツールの進化は、あくまで私たちの判断を支える“補助線”であり、最終的な信頼関係を築くのは人の誠実な対応です。

弊社では今後も、AIやDXを積極的に取り入れながら、
「人の思いや信頼を中心に置いた不動産取引」
を大切にしていきます。

このような研修を通じて得た学びを、日々の業務に活かし、
関係者の皆さまや地域社会により貢献できるよう努めてまいります。

今回の研修会を主催された第七ブロックの関係者の皆さま、またご講演いただいた先生方に心より感謝申し上げます。
replaceでは、今後も研修会・勉強会への積極的な参加を通じて、常に最新の知識を吸収し、より高品質な不動産サービスを提供してまいります。

コメントを残す